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「動画で返す」時代がXにも来た——React with Video機能が変えるエンゲージメントの形2026年版

2026.06.24 Social Report編集部

2026年6月2日、XがiOS向けに「React with Video」機能をリリースしました。
テキストや引用リポストではなく、動画そのもので他者の投稿に反応できるこの機能は、TikTokのデュエット/ステッチに近い体験をXのリアルタイム文脈に持ち込むものです。
SNSマーケ担当者にとって、この変化が自社のXキャンペーン設計にどう関わるかを整理しておく価値があります。

何ができるようになったか

React with Videoは、リポストメニューから起動できる動画録画機能です。
フロントカメラが自動で立ち上がり、元の投稿に対して以下3つのレイアウトで動画リアクションを重ねることができます。

  • スプリットスクリーン:画面を左右に分割し、元投稿と自分の動画を並べて表示
  • ピクチャー・イン・ピクチャー:元投稿の上に小さな動画をオーバーレイ
  • グリーンスクリーン:自分の動画の背景として元投稿を使用

投稿された動画リアクションはスレッド形式で元ツイートに紐づくため、元の投稿者にとっては追加のリーチ発生につながります。
現時点ではiOS限定で、AndroidとWebへの展開は「近日中」とのことですが、具体的な時期は明示されていません。

TikTokに追いつく——でも文脈が違う

この機能がTikTokの「デュエット」に近いのは明らかです。
TikTokでは2021年ごろからリアクション動画が定着し、ウィルス性の高いコンテンツを連鎖的に生み出す仕組みとして機能してきました。
Xがそれを参考にしたことは否定できません。

ただ、個人的にはTikTokとXを同列に語るのは少し違うと感じています。
TikTokのデュエットが「エンタメとして面白い動画に反応する」のに対し、Xで有効性が高いのは「ニュース・時事ネタ・業界の議論に対してリアルタイムで声を乗せる」ユースケースです。
Xの製品責任者は「コメンタリーはXにとって最も重要な柱のひとつ」と語っており、毎日500万件の投稿のうち300万件が引用リポストまたはリポストとされています(Social Media Today調べ)。
つまりXにはもともと「反応と議論で回るプラットフォーム」という土台があり、そこに動画という表現軸を足した、というのが実態に近いのではないでしょうか。

マーケターにとってのリアルな話

今すぐキャンペーン設計を変える必要はないと思っています。
ただ、いくつかの変化は読んでおいて損はありません。

クリエイターが動かすリーチの経路が増える

これまでXにおけるクリエイターの反応手段は引用リポストかリプライが主でした。
React with Videoが普及すると、インフルエンサーやコメンテーターが自社ブランドのツイートに動画で言及する可能性が生まれます。
テキストの引用リポストより表情や温度感が伝わる分、ポジティブな反応は後押しになり、ネガティブな反応はより拡散しやすくなる——このダブルエッジは意識しておく必要があります。

「反応される前提」のコンテンツ設計

TikTokでヒットするデュエット素材の条件として知られているのが、「反応する余地が明示されていること」です。
クイズ形式・賛否が割れる主張・意外な事実の提示など、受け手の動画反応を促す構造を持ったポスト設計が、今後Xでも機能するかもしれません。
まだ仮説段階ですが、企業アカウントのコンテンツ設計を考える上での新しい軸として頭の片隅に置く価値はあります。

採用には「カメラの前に立てるか」問題がある

TikTok文化に親しんだユーザー層はともかく、Xのメインユーザー層——ニュース・政治・業界議論を追うアクティブテキストユーザー——がどの程度動画で反応するかは未知数です。
機能の浸透には時間がかかる可能性が高く、現時点では「観察する」フェーズと見ています。

SocialReport の視点から

この機能が直接測定できるのは「動画リアクション数」という新しい指標ですが、現状のSocialReportではこの指標は追えません。
SocialReportがX上でカバーしているのは、キーワード・ハッシュタグ単位での投稿数やエンゲージメント推移の横断分析、リポスト(RTと引用RT)の拡散追跡、アカウントの投稿パフォーマンス集計です。

React with Videoが拡散の起点になった場合——たとえば特定のキャンペーン投稿にインフルエンサーが動画で反応してバズが広がったケース——については、その波及的な引用RTやリポストの増加は既存のキーワード調査やリポスト調査機能で捉えることができます。
動画リアクション機能そのものの分析ではなく、それが引き起こすX上の話題量や拡散を数値化したい場面であれば、SocialReportの既存機能が参考になるかもしれません。

まとめ

React with Videoは「XがTikTok化している」という見方もできますが、本質はXが元来持つ「議論とコメンタリーの文化」を動画形式に開放した、というものだと受け止めています。
テキスト主体のプラットフォームに動画の熱量が加わることで、特にニュース起点のバズや業界議論の広がり方が変わる可能性があります。
全面的な運用変更が必要な状況ではありませんが、「反応される投稿設計」という観点を意識するには良いタイミングです。


最終更新:2026-06-09

SOCIAL REPORT

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