2026年6月22日早朝から、Xで参加型テンプレート「#リプでやる」が一気に広がり、短時間で投稿数が数千件を超えました。
X運用に関わるマーケティング担当者・代理店が対象です。
なぜこの形式がバズるのかをXの公開アルゴリズムから読み解き、ブランドが自社の文脈で応用するための設問設計までを整理します。
「#リプでやる」とは何か
仕組みはとてもシンプルです。
投稿者が「好感度(0〜100)」「勝手に呼んでいる呼び名」「第一印象」といった質問リストを1枚のポストに並べ、最後に「#リプでやる」と付けて投稿します。
フォロワーはそのポストにリプライして各項目を答えるだけ。
答えが届くたびに双方へ通知が飛ぶので、自然と往復の会話が生まれていきます。
広まりやすさの核心は、参加ハードルの低さにあります。
自分でゼロから話題を作る必要がなく、「答えるだけ」で交流に入れる。
発信に慣れていない人でも気軽に関われるため、ゲーム系から日常系、イラスト系、育児系まで、ジャンルを越えて連鎖しました。
「絡みの少ない人や初見も歓迎」という空気が醸成されるのも、このフォーマットの特徴です。
なぜ今、この形式が伸びるのか
背景には、Xのランキングアルゴリズムがリプライを強く評価する構造があります。
Xは反応の種類ごとに点数(重み)を割り振っていて、このロジックをソースコードとして公開しています。
公開されている重み付けでは、いいねが0.5、リポストが1.0、単発のリプライが13.5。
そして投稿者本人が返信した「会話」には75という、群を抜いて高い点数が付きます。
いいねを基準にすると、会話はおよそ150倍、単発リプライでも約27倍の評価です。
SNS界隈で「リプライが桁違いに重い」と語られるのは、この会話の重みを指しています。
ここに「#リプでやる」がハマる理由があります。
このフォーマットが生み出すのは、まさに往復リプライの連鎖です。
1つの投稿に複数のフォロワーが返信し、投稿者がお礼や追加コメントを返す。
そのたびに最も重いスコアが積み上がっていく。
アルゴリズムから見れば「活発に会話されている価値ある投稿」に映り、さらに拡散される——という好循環が回ります。
現場感覚で言えば、これは「良い内容を出せば自然に伸びる」時代の終わりを示す現象だと受け止めています。
コンテンツの質に加えて、会話が生まれやすい構造になっているかが、リーチを大きく左右するようになりました。
ただし「エンゲージメントベイト」は逆効果
注意点があります。
「リポストした人全員フォロー」「コメントくれた方にプレゼント」といった、見返りで反応を強制するエンゲージメントベイト(反応の誘発だけを狙った仕掛け投稿)は、低質な誘発と判定されてペナルティの対象になります。
「#リプでやる」が機能しているのは、強制せず自然な交流意欲を引き出しているからで、ここに本質的な違いがあります。
会話の「量」を狙うのではなく、会話が「したくなる」状態を作る、という発想が前提です。
ブランドはどう応用するか
企業アカウントが「#リプでやる」をそのまま使うと、ブランドの世界観と合わずに浮くことがあります。
借りるべきはハッシュタグではなく、「答えるだけで参加でき、往復が自然に生まれる」という設計のほうです。
応用の起点になるのは、リプライを促す設問型の投稿です。
たとえば「最初に買った弊社商品は何でしたか」「いちばん好きな使い方を教えてください」といった問いは、ユーザーのUGC(ユーザーが生み出す投稿・口コミ)を引き出しながら、同時にアルゴリズム上の評価も高めます。
設計で効いてくるのは、次の2点です。
ひとつは「答えやすさ」。
考え込まずに、ひと言で返せる設問になっているか。
もうひとつは「答えること自体が少し楽しいか」。
自分のことを話せる、選ぶのが面白い、コミュニティへの帰属感が増す——そうした手応えがあるほど、往復は続きます。
逆に避けたいのは、「バズらせる」ことが目的化した設問です。
ユーザー側に発見や楽しさという得がなければ、本物の往復は生まれません。
「会話を演出する」のではなく「思わず話したくなる場をつくる」。
そこが2026年のX運用の分かれ目だと考えています。
SocialReport の視点から
設問型の投稿を試すなら、「どの問いかけが実際に会話を生んだか」を後から振り返れる状態にしておくと、改善が早く回ります。
SocialReportのX分析では、追跡アカウントの投稿一覧をいいね・リポスト・リプライ・インプレッションで比較でき、どの投稿がエンゲージメントを集めたかを横並びで確認できます。
キーワード調査側では、特定のハッシュタグや話題の投稿数推移・投稿者ランキング・ワードクラウドも追えるため、伸びているフォーマットの傾向把握にも使えます。
集計はそのままPDFレポートとして出力できます。
施策の設計はブランド側の創造性が主役ですが、その効果を数字で見届ける部分は、こうした分析ツールに任せると判断がぶれません。
まとめ
「#リプでやる」の急拡大は、自然な交流欲求と、リプライを重く評価するXアルゴリズムが噛み合って生まれた現象です。
ブランドが学ぶべきはハッシュタグそのものではなく、「答えやすく、往復が生まれる設問設計」。
会話の量を狙うのではなく、ユーザーが話したくなる場をつくることが、これからのX運用の核心になると考えています。
最終更新:2026-06-30