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Xの新収益化、表示1,000回あたりの報酬を逆算したら約200倍違った2026年版

2026.10.12 Social Report編集部

X の新制度「オリジナルコンテンツ報酬」で初回支払い額を公開した4人の投稿を集め、表示1,000回あたりの報酬を逆算すると約200倍の差がありました。
X で発信する企業やクリエイター起用の担当者に関わる結果です。
表示回数がどこまで当てになるかが分かります。

「29倍の開き」の中身を割り算してみた

2026年9月25日、X は9月8日に始めた新制度「オリジナルコンテンツ報酬(原文: Original Content Rewards)」の初回支払いを行いました。
翌26日にかけて、受取額のスクリーンショットがタイムラインにいくつも投稿されています。
Shiritomo の記事によると、公開された金額は$32.73から$959.73まで、約29倍の幅でした。

この差だけを見ると、「たくさん見られた人がたくさんもらった」と読みたくなります。
ただ、X は表示1,000回あたりの単価を公表していません。
しかも報酬の元になるのは、次の条件をすべて満たす表示だけです(Impress Watch)。

  • 有料会員(Premium 系の加入者)のホームタイムラインに出た表示
  • 投稿の50%以上が画面に入った表示
  • リプライと、同じアカウントからの重複表示を除いたもの

そこで、受取額を公開した人の投稿を実際に集めました。
受取額を総表示回数で割り、単価がどれくらいそろっているのかを確かめています。

測り方

対象は、支払い画面を公開した5人のうち、期間内の投稿を取得できた4人です。

  • 支払い対象の期間は 9月8日〜9月24日 と置きました。
    X は「2週間ごとに支払う」としか公表していないので、旧制度が終わった翌日から支払い日の前日までを期間とみなしています
  • X API で、各人のこの期間の投稿を取得しました。
    リプライとリポストは報酬の対象外なので除いています。
    本投稿と引用ポストの表示回数(インプレッション)を合計しました
  • 投稿数の多い3人は、取得件数の上限に達して期間の途中までしか取れていません。
    取れた日数の表示ペースが期間中ずっと続いたと仮定し、期間全体の数字に換算しました

期間内の本投稿が1件も返らなかった1人は、集計から外しています。

結果:表示回数と受取額は、ほとんど比例していなかった

受取額 取得できた範囲 本投稿数 総表示回数(期間全体への推計) 表示1,000回あたり
Aさん $32.73 9/8〜9/24(全期間) 56件 約167万(実測) 約$0.020
Bさん $168.27 9/20〜9/24 140件 約200万 約$0.08
Cさん $349.30 9/15〜9/24 63件 約2,400万 約$0.014
Dさん $721.43 9/17〜9/24 105件 約24万 約$3.0

表示回数が最も多いのは Cさんです。
約2,400万回見られていますが、受取額は$349でした。
一方の Dさんは約24万回で、$721を受け取っています。
表示回数ではCさんが100倍近く多いのに、受取額は Dさんが2倍以上です。
表示1,000回あたりにすると、Dさんと Cさんの差は約200倍になります。

推計の誤差を考えても、この差は埋まりません。
Dさんの単価が Cさん並みに下がるには、取れなかった9月8日〜16日のあいだに5,000万回近い表示が必要です。
Dさんの投稿の表示回数の中央値は732回なので、まず起こらない水準です。

見えていた「29倍の開き」は、実は「表示回数の差」と「単価の差」がかけ算された結果でした。
しかも差の大部分は単価の側にあります。

なぜ単価がここまでばらつくのか

API で取れるデータだけでは原因を特定できません。
考えられる理由は三つあります。

1. 有料会員にどれだけ見られたか

報酬が数えるのは有料会員からの表示だけで、API で取れる総表示回数にはこの区別がありません。
同じ1万回の表示でも、見ているのが無料ユーザー中心か、有料会員中心かで報酬は大きく変わります。
Dさんのように1投稿あたりの表示は少なくても、有料会員が厚い層に読まれていれば、単価は高く出ると考えられます。

2. 「オリジナル」と判定された割合

新制度では、引用や軽い編集だけの投稿、他人のコンテンツの再投稿は報酬の対象外です。
今回の4人では、本投稿に占める引用ポストの割合は次のとおりでした。

  • Aさん:75%(56件中42件)
  • Bさん:1%
  • Cさん:30%
  • Dさん:7%

引用が多い Aさんの単価は低めでした。
ただ、引用がほとんどない Bさんも単価は高くありません。
引用の比率だけで説明できるわけではなさそうです。

3. 期間の置き方のずれ

もし実際の支払い対象が9月8日〜24日と違っていれば、単価の計算そのものがずれます。
ただ、4人とも同じ期間で計算しているので、人どうしの比較が大きく崩れることはないとみています。

表示回数は「どれだけ見られたか」しか語らない

今回の数字から読み取れるのは、表示回数が人によってまったく違う重みを持っているということです。
少なくとも X 自身がお金を払うときには、そう扱われています。

これは収益化に参加しないブランドにとっても、無視しにくい話です。

クリエイター起用の判断材料が一つ増える

これまでクリエイターを選ぶときは、フォロワー数や表示回数、エンゲージメント率を見るのが一般的でした。
今回の結果からは、表示回数が同じ2人でも、届いている先の層が数十倍、数百倍違いうることが分かります。

クリエイター本人が受取額を公開している場合、それは X が「この人の読者にどれだけの価値があるか」を値付けした数字として読めます。
表示回数と並べて見ると、外からは見えない「誰に届いているか」の手がかりになります。

自社アカウントの「伸びた投稿」の見方も変わる

表示回数が大きく伸びた投稿が、必ずしも狙った層に届いているとは限りません。
表示回数の大小に加えて、次のような点を一緒に見ると、表示の中身がつかみやすくなります。

  • 反応の中身:保存(ブックマーク)や引用ポストでの言及が増えているか
  • 反応した人の顔ぶれ:どんなアカウントが反応しているか

10月9日には2回目の支払いがあります。
今回の4人が同じ方法で受取額を公開すれば、2回分の単価を比べることで、この推計の確からしさをもう一段確かめられます。

SocialReport の視点から

今回の集計は、追跡したアカウントの投稿ごとのインプレッション(実測値)を積み上げる作業でした。
SocialReport の X アカウント分析では、追跡しているアカウントの投稿一覧と、いいね・リポスト・リプライ・ブックマーク・インプレッションの実測値をまとめて確認できます。
自社アカウントや起用候補のクリエイターについて、期間を区切って表示回数や反応の推移を並べる用途に使えます。

一方で、収益化の受取額や、表示のうち有料会員が占める割合は、X の Creator Studio でしか見られません。
SocialReport では追えない部分です。
分析画面の実物は、クレジットカード不要・登録から1週間の無料お試しで、登録直後からサンプル調査として確認できます。

まとめ

初回支払いで見えた29倍の開きを割り算すると、その大部分は表示回数の差ではなく、表示1,000回あたりの単価の差でした。
今回の4人では、最も低い人と最も高い人で約200倍の違いがあります。
X 自身は「何回見られたか」より「誰に見られたか」にお金を払っています。
この事実は、表示回数をそのまま投稿や起用の成果として扱ってきた運用の見直しを迫るものだと受け止めています。


最終更新:2026-10-05

SOCIAL REPORT

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