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Xのアルゴリズムが全公開された——2026年版コードが示す、運用で本当に効くこと2026年版

2026.06.01 Social Report編集部

2026年1月にxAIがXの「おすすめ」アルゴリズムをGitHubで完全公開し、5月15日には187ファイル・1万8,000行以上に及ぶ過去最大規模の更新が入りました。
SNS運用担当者を対象に、コードが明かす「いいね」より20倍重い行動と、リーチを削る隠れた罠を整理します。


Xの「おすすめ」欄に何が出るか、長らく推測に頼るしかありませんでした。

「朝8時に投稿が正解らしい」「ハッシュタグは3つまで」といった経験則が運用の根拠になり、その多くは2023年に公開された旧コードの解釈か、伝聞にすぎませんでした。
2026年1月、xAIがアルゴリズムをGrok(xAIのAIモデル)ベースに全面刷新して完全公開し、その状況が変わりました。
そして5月15日、Elon Musk氏が月次更新とリリースノートの継続公開を約束する形で、過去最大の更新を投じています。

推測ではなくコードを読めばいい時代になった、ということです。

まず構造を頭に入れておく

Xの「おすすめ」アルゴリズムは今、大きく3つの部品で動いています。

Thunderは、フォロー中アカウントの最新投稿をメモリ上に保持し、サブミリ秒(1ミリ秒以下)で取り出すエンジンです。
あなたがフォローしている人の投稿が「おすすめ」に入るルートを担います。

Phoenix Retrievalは、フォロー外のコンテンツを発見するMLエンジンです。
あなたとポストそれぞれをベクトル(数値の配列)に変換し、「意味的に近い」投稿を全世界の投稿プールから引っ張ります。
おすすめ欄のおよそ50%はこのルートで入ってきます。

Grok Transformerは、候補に挙がったポストそれぞれに「このユーザーはエンゲージするか」という確率スコアを付けるランカーです。
Grok-1のオープンソース実装をベースにしており、2026年1月刷新の核心はここにあります。

開発チームは「システムから手動ルールとほぼすべてのヒューリスティクスを排除した(We have eliminated every single hand-engineered feature and most heuristics from the system.)」と明言しています。
過去は「このアカウントのリーチを少し落とす」のような手動調整が混在していましたが、今はGrok Transformerによる純粋なエンゲージメント予測が支配的です。

コードが示すエンゲージメントの「重さ」

研究者がコードから読み取ったスコアの相対値は、次のようになっています。

行動 相対スコア
いいね ×1
ブックマーク ×10
リンククリック ×11
プロフィールクリック ×12
返信 ×13.5
リポスト(RT) ×20

返信1件はいいね13.5件分、RTはいいね20件分に相当します。

さらに重要なのが「会話の深さ」です。
返信が別の返信を呼ぶ連鎖が起きると、スコアが大幅に跳ね上がります。
特に投稿者本人が返信に応答すると、その双方向のやり取り1セットが数百いいね相当の信号になるとされています。

この構造から言えることは一つです。
「多くの人にいいねしてもらう投稿」より、「少数でいいから返信が連鎖する投稿」の方が、アルゴリズムへの影響は圧倒的に大きい。

現場で踏みがちなワナ、3つ

1. 投稿本文に外部リンクを貼る

もっともよくある落とし穴です。
コードは外部リンクを含むポストに対してリーチの減衰を適用します。
減衰幅については研究者間で見解が分かれていますが(30%減〜94%減という報告がある)、減衰そのものは複数の検証で確認されています。

外部リンクをどうしても拡散させたいときの実務的な回避策は、「本文テキストのみで投稿し、リンクは最初の返信に貼る」です。
本文でリーチを最大化してから、返信で誘導する構造にします。

2. 1日の投稿本数を増やしすぎる

Phoenix Retrievalのコードには、同一アカウントから短時間に大量投稿があった場合に多様性フィルターが働く記述があります。
3〜5本目以降の投稿はリーチが絞られる傾向があり、量を増やすより1本あたりの返信連鎖を設計する方が効率的です。

3. 投稿後を放置する

Grok Transformerは投稿の「初動エンゲージメント」を重視します。
投稿後30分前後でリアクションが集まると、より広いユーザーへの配信が始まる仕組みです。
逆に言えば、初動がなければその投稿は実質的に配信されません。
投稿直後に自分でコメントを追加する、チームで最初の返信を入れるなど、「初動を作る設計」が重要です。

アルゴリズムが透明になったことの、本当の意味

エンゲージメントの重みづけや外部リンク減衰は、今や誰でもコードで確認できます。
ただ、これが実務に与える最大の変化は別のところにあると見ています。

「なぜリーチが落ちたか」の仮説が立てやすくなった、ということです。

以前は「エンゲージメントが下がった」と気づいた時、原因が投稿時間なのか、コンテンツの質なのか、プラットフォームの仕様変更なのか、判断の手がかりがありませんでした。
今は「返信が少なかった」「外部リンクを貼った」「連日投稿頻度が高かった」という軸で振り返りができます。

アルゴリズムを”攻略”しようとするより、「会話が生まれる投稿とはどういうものか」を考え続けることが、ユーザー評判スコア(TweepCred)を長期的に保つ近道です。

SocialReport の視点から

Xのアルゴリズムが透明になった一方で、「実際に自分のアカウントや対象キーワードの指標がどう変化しているか」を継続的に追う仕組みは別に必要です。

SocialReport では X のキーワード調査(投稿数推移・KPI集計・ポジネガ感情分析)、特定ポストのリポスト拡散追跡、アカウント別のエンゲージメント集計・PDF レポート出力に対応しています(2026年5月26日リリース)。
アルゴリズムの変化が実際の数値にどう影響しているかを確認したい場合、SocialReport の X 分析機能が参考になるかもしれません。

まとめ

2026年のXアルゴリズム全公開は、「おすすめ欄は謎」という前提を覆しました。
RTはいいねの20倍重く、会話の連鎖がリーチを決め、外部リンクはリーチを削る——これらは推測ではなくコードに書かれた事実です。
変わったのはアルゴリズムだけでなく、SNS運用のPDCAが「感覚的な振り返り」から「コードに根拠を置いた仮説検証」へとシフトしたことです。


最終更新:2026-05-21

SOCIAL REPORT

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